2016.04.18:相続放棄

60年不動産会社を経営した方の相続人が全員相続放棄した事例

お付き合いのある不動産会社の社長Aさんから連絡を受けました。

先代であるお父さまが亡くなられたとのこと。

遺品を整理していたときに、23年前の書類ですが、
都市銀行から債権放棄してもらったという書類が出てきたので、
見てほしい、とのご相談でした。

お父さまは戦後間もなく不動産事業を始められ、法人化し、
その会社を地域では有名な地域密着の不動産会社にまで
なさいました。

やはりそのような方は借金も半端なくされていて、
昭和63年頃、世間ほどにはバブルの波に
飲み込まれた方ではなかったものの、結局借金が返せなくなり、
銀行に債権放棄してもらった、という話は以前から
お父さまからAさんも聞いていたようでした。

こういうものを見てしまうと、他にも借金が残っていないか、
いくら時効だとはいえ、毎日眠れない思いをするようだといやだ、
ということで、相続放棄をされることになりました。

その手続きを当事務所がお手伝いすることになりました。

もう死期も近いとのことで、ほとんどの財産については
整理してあったのですが、借金がのこっていたかどうか、
お父さまに確認するすべがもはやありません。

幸い会社の株もAさんに承継してあったので、
特に問題はなく相続放棄を終えることができました。

結局、全相続人が段階を踏んで相続放棄をし、
事なきをえました。