2016.02.25:生前贈与
多額の預貯金が名義預金となっており、相続財産に持ち戻された事例
亡Xさんには認知症の奥さんYさん、長男のAさん、次男のBさん、
末っ子長女のCさんが相続人がいました。
平成15年のことです。
XさんにはYさんへ贈与した預金約5000万円があります。
その他、不動産、有価証券もありました。
Z税理士からどのように遺産分割すべきか、との相談を受け、
Z税理士によれば、Yさんは贈与を受けた際、すでに認知症を発症しており、
理解能力に乏しかったとのことであり、預金通帳はXさんが管理していた
とのことだったので、預金約5000万円は名義預金として
持ち戻しせざるを得ないと思う、とのことでした。
Yさんに後見人をつける申立てを当事務所で行い、当時は
家裁も当事務所も「親族後見人主義」でしたので、
当然のように同居の親族Aさんを後見人候補者とし、
その通りに審判が得られました。
しかも後見監督人がつくこともなく、とても平和な状態。
AさんとYさんは利益相反するので、特別代理人候補者をAさんの奥さんとする
申立ても当事務所で行い、その通り選任されました。
名義預金はそのままYさんが相続することになり、
これでやっと本物のYさん名義の預金と
なりました。
もちろん、Yさんの相続分は法定相続分を満たしました。
そして、すべての名義変更を当事務所で行いました。
複雑ながらも平和な相続だったことを思い出します。