2016.01.14:成年後見
遺言公正証書と任意後見契約公正証書が一緒に保管される事例
Aさんは当事務所のホームページをご覧になり
当事務所へお越しになりました。
亡くなったお父さんXさん(お母さんはすでに他界)の
遺言公正証書と任意後見契約書を携えて。
XさんとAさんは任意後見契約を結んでいた模様。
そして、Xさんのお子さんは長女Aさんと長男Bさんで
Xさんは同居していたAさんにかなりの財産を相続させる
遺言をしていました。
Bさんの遺留分は侵害しています。
Xさんは亡くなる数年前から認知症になっていたようです。
しかし、任意後見契約は発動しませんでした。
Aさんは任意後見契約をなぜ結んだのか、
なぜこれが必要なことだったのか、
よくわからない、とおっしゃっていました。
任意後見制度をよく理解しないまま契約だけしていた、
ということになります。
とりあえず契約だけしておけば安心、
と思ってやってみたけれど、使い方をよく知らなかった、
そんなケースです。
同居の親族ですから、Xさんが認知症になっても
特に何も困ることもなかったのでしょう。
遺言自体はBさんをAさんが説得する形で
最終的にその通り執行できましたが、
何のための任意後見制度なのか・・・
とても考えさせられた事例でした。