2015.11.04:遺産分割協議
何年も放置していた相続登記に着手したが結局うまくいかなかった事例
Aさんは兄Xさんの相続にともない、
大量の戸籍謄本の収集分を持って、
当事務所へ来られました。
当事務所で相続関係説明図を作成しましたが、
それはそれは壮大なもので、相続人は30人近くいて、
関係も入り組んでおり、すごいものです。
昭和の時代に相続が発生しており、それをいったん
Aさんの名義にしてから売却して他の相続人に
法定相続分で分けたい、という要望でした。
不動産については、Aさんが固定資産税を
納めていたのですが、その近くに
その物件を管理する相続人が住んでいました。
当事務所はAさんの希望をお手紙にして相続人全員にお送りし、
その回答をもらう、という形で
何度かやりとりを行いました。
物件を管理する相続人にしてみれば、なんで今頃?
ということだったようで、腑に落ちず、
また、別の相続人は代償金を払う内容でないと
遺産分割協議書への捺印は難しい、とのこと。
物件を管理する相続人とは
管理の費用のことでおりあわず、
また、他の相続人とはいくらで売れるかわからない物件では
代償金も決めることができないので、
遺産分割協議は整いませんでした。
結局Aさんは断念。
Aさんはどうしても・・ということで当事務所へ依頼されましたが、
次の世代に解決をゆだねることになり、
負の遺産を残すことになりました。
Aさんの思いはいつか実を結ぶのでしょうか?