2015.03.11:相続
長男が行方不明で失踪宣告の上、相続手続きができた事例
亡くなられたAさんの相続人は奥様のBさん、長男で行方不明のCさん、長女のDさんです。
当事務所はBさんから、3年前に亡くなられたAさん名義のご自宅の相続登記をしたいと
ご相談をうけました。
Cさんは存命なら38歳、行方不明になってからすでに16年がたっていて、
そろそろなんらかのアクションをとらなければと思っている、と神妙な面持ちでした。
16年前、Cさんは大学生でしたが、ノイローゼになっていました。
そしてある日「〇〇の海に飛び込んで死ぬから探さないでくれ」との
書置きを遺して家を出てしまいました。
その後Aさんたちは必死に探し、警察に捜索願も出しましたが見つからず、
それっきりになっていました。
Cさんの死を認めたくない、という思いが今まで失踪宣告の申立に踏み切ることを
とどめさせていたようです。
行方不明になってから7年が経過すると「普通失踪」の手続きを行えます。
そこで、当事務所で失踪宣告の申立を家庭裁判所に対して行い、
1年以上かけて失踪宣告の審判が下り、戸籍の記載も「死亡とみなされた」旨の記載を
入れてもらうことができ、その後、BさんとDさんで遺産分割協議を行って
相続登記を行うことができました。
すでにご相談いただいてから1年半経過していました。