2015.10.21:生前贈与
遺言より死因贈与をあえて選ぶメリットはなんですか?
遺言を作った時にそのまま財産を移転してしまいたい・・・
そんなニーズがあります。
もらう側からすれば、先に「つばをつけておきたい」
あげる側からすれば、先に「方向性を示しておきたい」
ということです。
それを実現するものとして「死因贈与」の制度があります。
「死因贈与」は遺言のような単独で行う行為ではなく、
「契約」ですから、あげる人ともらう人との
合意により成立します。
そして不動産なら登記ができる、というのが一番大きいです。
これを始期付き所有権移転仮登記といいます。
しかし、死因贈与はいいことばかりではありません。
ある意味遺言より厳格な方式が要求されます。
亡くなる前の契約と登記、亡くなった後の登記で手続きが必要ですから、
それが一連で流れるように考えなければならないのと、
最初に登記があるので、費用も多額にかかるということです。
登録免許税や相続の時にはかからない不動産取得税も
かかります。
死因贈与に踏み切るにはあげる側にももらう側にも
覚悟が必要です。