2018.07.07:相続
相続分野の民法改正はいつからですか?
改正民法が2018年7月6日に成立しました。
施行は2020年7月までに順次、ということになっています。
よってすぐに現行民法が変わるわけではありません。
ですが、大きなポイントは今から押さえておきたいですね。
★1つ目(新しい章立てあり)
残された配偶者の住居への居住権を認め、
所有権を取得しなくてもよくなるため
金融資産など他の財産での相続分を増やし、
手厚い保護が受けられるというもの。
また、婚姻期間20年以上なら生前贈与や遺贈により
住居や敷地を持ち戻し免除とし、
遺産分割協議の対象外として優遇するというもの。
確かに人生100年時代を生き抜くためには
配偶者は特別な優遇を受けるべき。
潤沢な資金が必要ですね。
★2つ目(新しい章立てあり)
特別寄与者が特別寄与料の請求を可能とするもの。
相続権のない親族が介護や看護をした場合に
報いる制度が創設された。
相続人にしか寄与分が認められなかったことは
古くから問題で、家族の崩壊につながることが
しばしば見受けられました。
この制度の創設によってより多くの家族が
円満となれるよう、祈りたいですね。
★3つ目
自筆証書遺言のうち、財産目録をつければ
その部分は自筆でなくてもOK、すなわち
パソコンで作成してもよい、ということに。
本文はもちろん従来通り自筆がマストです。
遺言を普及させるのが狙いのようです。
法務局で本人確認をするそうですが、
逆に本人が頼りないと、遺言が他の者に
偽造されないかが心配な気がします。
年配の方でパソコンができない方は
誰かに依頼して目録を作成するのでしょうが、
遺言能力との兼ね合いもあり、
微妙な制度だなと思います。
★4つ目
相続預金は遺産分割前に
法定相続分の3分の1を単独で払い戻しが
できるというもの。
実務の現場では、死亡前後に
50万円ずつ何度も下している通帳を
見ることがしばしば。
この制度をきっかけに、本人の死亡を告げずに
被相続人の預金を使い続けることはなくなるのでしょうか。