2023.03.31:生前贈与

実務雑感vol.35~生前贈与

生前贈与の加算延長は守りから攻めへの序章!?

従来、相続が発生した際、過去3年間の贈与の額を
持ち戻して相続税が課されていました。

今回税制改正となり、来年つまり令和6年の贈与から
過去7年間の持ち戻しとなる予定です。
(延長した4年分は100万円まで相続財産に
加算しません。)

法律不遡及の原則から
実際フルに7年間が持ち戻しとなるのは令和13年以降に
亡くなられた方からのようです。

一方で、令和4年4月から高校生へのお金の授業
はじまっています。

これらは一見すると関係のないことのように見えますが、
実は、なるべく早く財産を子や孫に移して資産運用してもらい、
年金をあてにせず、自助努力で生活を組み立てていって欲しい
という国からのメッセージなのです。

私が後見人をしていてよく思うことは
十分すぎる金融資産があるにもかかわらず
高齢者には出費に対してシビアな方が多いということ。

まるであの世へお金を持って行こうという勢いで
守っておられる方が多いです。

高校生への教育も大事だけれど、
高齢者への啓蒙活動もすごく大事。
生前贈与は強制したり、おねだりされてするものではなく
本来は自発的になされるものであるはずです。

高齢者の金融リテラシーを高め、攻めの姿勢を作る!
それこそがこの国を盛り上げていく方法なのではないでしょうか。