実務雑感vol.13~成年後見&家族信託
成年後見と家族信託の決定的な違いは?
端的に言うと軸足の違いです。
軸足がご本人に置かれているのが 成年後見です。
つまり、本人保護、本人の利益、本人のため、
を錦の御旗にしているのが成年後見。
一方で家族信託はというと、 その名の通り、
ご本人よりご家族に軸足を 置いている。
近視眼的にみればご本人のためであっても
大局的にはご家族の幸せを思い描いて設計する、
それが家族信託。
この考え方さえ間違わなければ、
制度利用において過ちを犯すことはありません。
逆に言うと、ご本人にメリットがないなら
成年後見制度は利用すべきではないのです。
”備え”をしておかなかったせいで
成年後見制度を利用せざるを得なくなったとき、
「家族のため」を振りかざすことは
もはやできなくなります。
そこでご家族が後悔される様子を
私は何度も見てきました。
例えば相続対策、相続税対策といったものは
ご本人のためでしょうか。
いえいえ、ご家族のためのものです。
ですから、ご本人に後見人がついてしまったら
相続対策、相続税対策はなすすべがありません。
成年後見制度が発足してから21年。
ご家族の利益のために成年後見制度を
利用しようと されるケースが未だに後を絶ちません。
「こんなはずではなかった」と後悔する前に
まずはご自身やご家族の課題を
整理してみるところから
はじめてみては いかがでしょうか。
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