2015.08.26:相続

不動産の共有名義は避けた方がいいのでしょうか?

はい、避けた方がよろしいと思います。

相続でよくあるケースとして、めぼしい財産が
不動産しかなく、それを誰かが単独で相続してしまうと、
他の相続人に不公平感が生じる、という場合です。

この場合、不動産を単独相続する相続人が
代償金を用意できれば他の相続人にそれを配って
円満解決、となるのでしょうが、
なかなかそういう事例は少ないです。

不動産を共有にしてしまうと、売却などの処分、
有効活用も全員の同意がないと進みません。

相続したときは特に問題にならなくても、
たとえばアパート経営などされている場合は
入居者の選定、賃料の設定、修繕、補修、空室対策、
管理方法の決定など、全員の同意がないと
決めることができないのです。

築年数も増えてくると、空室のリスクも高まり、
収益の悪化、次の相続税への影響など
さまざまな問題に発展していきます。

単独相続したのがその相続人の自宅だった場合、
将来的に共有持分を買い取ることも考えなければ
ならなかったり、売却して精算することも
視野に入れる場合もあります。

そのままにしておくと、次の相続の発生で
また共有者がどんどん増えていくわけで、
いいことは少しもありません。

土地の場合は、分筆(土地を切ること)をして
権利を入れ替えて共有物分割するという
ちょっと複雑な手続きをすることになります。

一方で、
財産を遺す側の対策としては、
やはり遺言を遺すということがあります。

そのうえで、その不動産を取得する相続人が
他の相続人に代償金を支払わせる旨までを
遺言で書くのです。

代償金はたとえば生命保険(この場合、
契約者・被保険者=被相続人、死亡保険金受取人
=不動産を相続する相続人)で準備することで
資金面での問題も解決することもあります。

いずれにしても、めぼしい財産が不動産のみという方は
是非早目に私共のような専門家にご相談されると
よろしいかと思われます。