2015.09.09:遺留分放棄

遺言と遺留分放棄はなぜセットなのですか?

遺留分を有するのは兄弟姉妹(その代襲者含む)を除く法定相続人です。

基本的に相続人が遺留分を持っていなければ、遺言さえ書けば
その通りに遺言が執行されると考えてよいでしょう。

ところが、遺留分を有する相続人にそれを満たさない内容の遺言を
書いてしまうと、
遺留分減殺請求といって、不足の部分を侵害した相続人、受遺者に対して
請求できるので、遺言としては不安定、ということになります。

ですので、遺言を書くご本人としては、遺留分が不足する相続人に対し、
「遺留分放棄という制度があるよ。事前には家庭裁判所の許可をもらったら
できるんだよ」という説明をすることになります。

これをざっくばらんにできる場合と緊張しながらする場合と
二通りあろうかと思います。

「当然だよ。放棄するよ。」という場合と
「どういうことか説明して。」という場合の二通りが予想されます。

ほとんどのケースでは、後者が予想されるため、皆さんあまり
遺留分放棄をおやりにならない、というか
制度自体もご存じないのでしょうね。

法律の趣旨が「遺族の生活保障」にありますから、
よほど余裕のある相続人にしか、
この制度は適用してはいけないのかもしれません。