2015.09.16:相続登記

相続税の申告書は見つかったが遺産分割協議書は見つからなかった事例

亡Xさんの相続人は奥様のAさん、弟のBさん、同じく弟のCさんの
3人です。

実はXさんは8年前に亡くなり、Aさんがすべての財産を相続する旨の
遺産分割協議をして、その当時相続税の申告をしました。

ところが、不動産のうち、地方の物件について当時、
相続登記をしませんでした。

登記することに価値を置かなかったというか、地方の不動産で固定資産税も
かかっていないような物件のため、処分するにもできないだろうという判断を
税理士がして、提携の司法書士を紹介して相続登記をする、というところまで
段取りをしなかったようです。

今回、隣地の所有者がその物件をひきとってもいい、と言ってくれているという
処分には絶好のチャンスを得たため、相続登記をしていなかったことが発覚、
ホームページをご覧になり、Aさんが当事務所へおいでになりました。

当時の相続関係書類一式をできるだけかき集めてご持参いただきましたが、
相続税の申告書以外、全てがコピーでした。

ご丁寧にファイルにとじられていましたが、戸籍謄本、遺産分割協議書、
印鑑証明書すべてがコピーで、すべて取直し、作成し直しが必要です。

担当した税理士の方で、手続きについての理解がなかったのでしょうか。
とても残念だなと思いました。

今回、戸籍を取り寄せてわかったのですが、Bさんが最近亡くなられていて、
やり直しにはBさんの相続人全員の協力が必要になってきてしまいました。

Bさんには気難しい奥さんのDさん、お子さんのEさんがいます。

Aさんは税理士を恨みました。

AさんはDさん宅に何度も足を運び、当事務所もご説明の文書、電話をし、
協力いただくよう、お願いしました。

幸いBさんにゴネラレル、というところまではいかなかったので、
なんとかなりましたが、
いろいろ嫌味を言われ、Aさんは相当気分を害されました。

結局、C、D、Eさんの協力が得られたため、遺産分割協議をやり直し、
実印の押印と、印鑑証明書もいただいて何とか相続登記を終えることが
できました。

今回のようにうまくいったのはまれなケースかもしれません。

裁判まで起こさなければならない、となると
税理士を恨むどころではないでしょう。

専門家の周辺知識の必要性、他士業との緊密な連携、
そんなことに気づかされた事例でした。